昭和20年(1945年)8月15日に終戦を迎えたわが国は、軍国的な内容の教材に墨塗りを行うことで、取り敢えず今までの教科書を使いつづけることにしました。
翌昭和21年(1946年)度の教科書は、新聞紙のように印刷されて配布された教科書を、児童・生徒自身が切り分けて綴じて使うという形式のものでした。従って、その教科書には、扉に当たる普通の紙の表紙があるだけで、いわゆる「表紙」──厚手の表紙は付いていませんでした。
たまたま、その時期の旧制中学校の『中等国語』の教科書の一部を目にすることができましたので、その目録(目次)を記録して参考に供したいと思います。 お気づきの点を教えていただけると幸いです。(2007.9.9)
『中等国語一』
昭和21年3月17日發行 同日飜刻發行。
[昭和21年3月17日 文部省檢査濟]
著作權所有 著作兼發行者 文部省。
飜刻發行者 中等學校敎科書株式 會社。
印刷者 大日本印刷株式會社。
國文篇
一 富士の高嶺(萬葉集) 二 親心(雲萍雜志) 三 菖蒲の節供(島崎春樹) 四 柿の花(俳句・正岡子規) 五 涼み臺(寺田寅彦) 六 秋から春へ(德冨健次郎『自然と人生』から「大海の日の出」「寒星」「寒月」「彼岸」)
『中等國語一(中)』
昭和二十一年六月二十八日發行
同日飜刻發行。 [昭和二十一年六月二十八日文部省檢査濟] 定價壹圓貳拾錢。 著作權所有 著作兼發行者 文部省。
飜刻發行者 中等學校敎科書株式會社。 印刷者 大日本印刷株式會社。 發行所 中等學校敎科書株式會社。
敎科書番號 11ノ一
文法篇 [口語]
一 國語 二 音聲と文字 三 文と文節 四 文節と單語 五 自立語で活用の有るもの 六 自立語で活用の無いもの(一) 七 自立語で活用の無いもの(二) 八 附属語で活用の有るもの 九 附属語で活用の無いもの 十 品詞分類 十一 口語動詞の活用(一) 十二 口語動詞の活用(二) 十三 口語動詞の活用(三) 十四 口語形容詞の活用 十五 口語形容動詞の活用 附表
漢文篇 一 律詩二首(藤田幽谷) 二 眞爲善者(尾藤二洲) 三 眞爲學問者(西山拙齋) 四 鏡(十八史略) 五 七言絶句二題(頼杏坪、高千里) 六 德與財(中村蘭林) 七 常與變(五井蘭洲)
八~十二(欠頁のため不明) 十三 地動與潮雞(安積艮齋)
『中等國語一(後)』
昭和二十一年八月六日發行
同日飜刻發行。 [昭和二十一年八月六日 文部省檢査濟] 定價七拾五錢。
著作權所有 著作兼發行者 文部省。
飜刻發行者 中等學校敎科書株式會社。
印刷者 明和印刷株式會社。
發行所 中等學校敎科書株式會社。 敎科書番號 11ノ一
國文篇 一 最低にして最高の道(詩・高村光太郎) 二 私設大使(山本勇造) 三 測量生活(武藤勝彦) 四 尊徳先生の幼時(富田高慶)
五 俳句への道(富安謙次) 六 一門の花(平家物語 故郷の花・靑山の琵琶)
七 姫路城 八 すゝきの穗(良寛4首、大隈言道3首、橘曙覧7首) 九 湖畔の冬(久保田俊彦の文) 十 創始者の苦心(蘭学事始) 十一 言葉の遣ひ方(玉井幸助)
『中等國語 二(1)』 未見。
『中等國語 二(2)』
昭和二十二年九月八日発行 同日飜刻発行。
[昭和二十二年九月八日 文部省檢査済]
著作権所有 著作兼発行者 文部省。 飜刻発行者 中等學校敎科書株式會社。 印刷者 大日本印刷株式會社。 発行所 中等學校敎科書株式會社。
一 クラーク先生(大島正健) 二 国際婦人会議に出席して(石垣綾子) 三 学級日記 四 少年の日の思い出(ヘルマン‐ヘッセ 高橋健二訳) 五 万葉秀歌(斎藤茂吉) 六 意味の変遷(藤岡勝二) 七 砂丘(下村健二)
『中等國語 二(3)』
昭和二十二年十二月二十七日発行
同日飜刻発行。 [昭和二十二年十二月二十七日 文部省檢査済]
著作権所有 著作兼発行者 文部省。 飜刻発行者 中等學校敎科書株式會社。 印刷者 二葉印刷株式會社。 発行所 中等學校敎科書株式會社。
一 自分は太陽の子である(福士幸次郎) 二 音と文字(宮城道雄「雨の念佛」より。内田百間「凸凹道」より。) 三 希望 四 鬼にこぶ取らるること(宇治拾遺物語) 五 夜中の音樂(百田宗治、「兒童」第1巻第4号より) 六 地藏の話(長與善郎「菜種圃」より) 七 ひさかたの(古今集より9首) 八 木の根(和辻哲郎「偶像再興」より)
九 ひとりの力(京谷大助「アメリカに学ぶ」より)
『中等國語 二(4)』(奥付、未見)
一 南船北馬 二 詩 五首 三 李白と杜甫 四 小話四題(坂井德三編訳「支那イソップ物語」より。「戰國策」「列子」「晏子春秋」「新序」) 五 神話と傳説(松村武雄「支那神話傳説集」より) 六 詩 五首 七 桃花源の記 八 たゆまざる努力 九 秋風五丈原 十 孔子と子路 十一 孔子とそのことば
『中等國語 三(1)』(未見)
『中等國語 三(2)』
昭和二十二年九月八日発行 同日飜刻発行。
昭和二十三年六月二十五日修正発行 同日修正飜刻発行。 [昭和二十三年六月二十五日 文部省檢査済]
著作権所有 著作兼発行者 文部省。 飜刻発行者 中等學校敎科書株式會社。 印刷者 二葉印刷株式會社。 発行所 中等學校敎科書株式會社。
一 樹木賛仰(詩・尾崎喜八「高層雲の下」) 二 生活断片(中学校生徒・文部省作) 三 文化と敎養(天野貞祐「婦人之友第41巻第2号」) 四 芭蕉の名句(潁原退蔵「芭蕉の名句」) 五 乙女峠の富士(佐藤信衛「新潮」第43巻第6号) 六 銀の燭台(ヴィクトル・ユーゴー作・水野葉舟訳、「フランス小学読本」)
『中等國語三(3)』
昭和二十二年十二月十二日発行
同日翻刻発行、 昭和二十三年七月十三日修正発行 同日修正翻刻発行。
著作権所有 著作兼発行者 文部省。 翻刻発行者 中等學校敎科書株式會社。 印刷者 文化印刷株式會社。
発行所 中等學校敎科書株式會社。
一 雪の朝(草野心平「絶景」より) 二 自然の美と美術の美(岸田劉生「美の本体」より) 三 噴火山(アンデルセン作、森鷗外訳「即興詩人」より) 四 読書について(谷川徹三「読書について」より) 五 随筆二題(「枕草子」「徒然草」より) 六 社会を自己の中に(大島正德「思索の人生」より) 七 師弟一如(矢内原忠雄「余の尊敬する人物」より。内村鑑三と新渡戸稲造の二人を取り上げている。)
八 学校日記
『中等文法 口語』
昭和二十二年四月四日発行 同日飜刻発行。
[昭和二十二年四月四 日 文部省檢査済] 著作権所有 著作兼発行者 文部省。
飜刻発行者 中等學校敎科書株式會社。 印刷者 大日本印刷株式會社。 発行所 中等學校敎科書株式會社。
一 國語 二 音声と文字 三 文と文節 四 文節と單語 五 自立語で活用の有るもの 六 自立語で活用の無いもの(一) 七 自立語で活用の無いもの(二) 八 附属語で活用の有るもの 九 附属語で活用の無いもの 十 品詞分類 十一 動詞の活用(一) 十二 動詞の活用(二) 十三 動詞の活用(三) 十四 形容詞の活用 十五 形容動詞の活用 十六 助動詞の接続と活用(一) 十七 助動詞の接続と活用(ニ) 十八 助動詞の接続と活用(三) 十九 助詞の種類と用法 附表
『中等文法 文語』
昭和二十二年四月八日発行 同日飜刻発行。
昭和二十二年十一月十七日修正発行 同日修正飜刻発行。 [昭和二十二年十一月十七日 文部省檢査済] 著作権所有 著作兼発行者 文部省。
飜刻発行者 中等學校敎科書株式會社。 印刷者 二葉印刷株式會社。 発行所 中等學校敎科書株式會社。
一 文語とその文法 二 自立語で活用の有るもの 三 自立語で活用の無いもの 四 附属語で活用の有るもの 五 附属語で活用の無いもの 六 動詞の活用(一) 七 動詞の活用(二) 八 形容詞の活用 九 形容動詞の活用 十 助動詞の接続と活用(一) 十一 助動詞の接続と活用(ニ) 十二 助動詞の接続と活用(三) 十三 助動詞の接続と活用(四) 十四 助詞の種類と用法 十五 文節の構造 十六 文節と文節との関係 十七 文の構造 十八 文の種類 附表
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