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(注) |
1. |
この富田高慶「尊徳先生の幼時」は、文部省・昭和21年8月6日発行、同日翻刻発行の『中等國語一[後]』(著作権所有 著作兼発行者 文部省。翻刻発行者 中等学校教科書株式会社。 印刷者 明和印刷株式会社。 発行所 中等学校教科書株式会社)によりました。 |
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2. |
本文中の漢字は、旧漢字が使われています。 |
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3. |
平仮名の「く」を縦に伸ばした形の繰り返し符号は、普通の文字に直してあります(「いよいよ」)。 |
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4. |
『中等國語一[後]』の教科書は、昭和21年に戦後初めて旧制中学校に入学した生徒たちが使用した教科書です。
この年は、まだ新制中学校が発足していませんでした。(新制中学校が発足するのは、翌昭和22年のことです。) |
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5. |
『中等國語一[後]』の目次(目録)を次にあげておきます。
目録 國文篇
一 最低にして最高の道(詩・高村光太郎) 二 私設大使(山本勇造)
三 測量生活(武藤勝彦) 四 尊徳先生の幼時(富田高慶)
五 俳句への道(富安謙次) 六 一門の花(平家物語 故郷の花・靑山の琵琶)
七 姫路城 八 すゝきの穗(良寛4首、大隈言道3首、橘曙覧7首)
九 湖畔の冬(久保田俊彦の文) 十 創始者の苦心(蘭学事始)
十一 言葉の遣ひ方(玉井幸助)
漢文篇
一 律詩二首(藤田幽谷) 二 眞爲善者(尾藤二洲)
三 眞爲學問者(西山拙齋) 四 鏡(十八史略)
五 七言絶句二題(頼杏坪、高千里) 六 德與財(中村蘭林) 七 常與變(五井蘭洲)
八~十二(欠頁のため不明) 十三 地動與潮雞(安積艮齋) |
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6. |
資料221に「高村光太郎「最低にして最高の道」(文部省『中等国語[後]』昭和21年8月発行より)」があります。 |
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7. |
参考までに、『中等國語一[後]』の漢文篇の中から、「一 律詩二首(藤田幽谷)」を引いておきます。(訓点は省略しました。)
一 律詩二首 藤田幽谷
暮春 柳堤晩歸
(五言)
徐歩仙陂畔 晩來風景多
山間煙縹渺 天上月婆娑
戲折堤中柳 靜觀湖面波
浮沈人世事 感慨總何如
丙午早春 過柳堤
(七言)
天明六年、時年十三
長堤十里物華佳 春思試看天際霞
積雪已消仙子岳 炊煙自湧野人家
靑松標掛城屏上 嫩柳影浮湖水涯
閑歩時時回首處 山櫻幾日著新花
(幽谷詩纂)
(読みと語注)
仙陂(センバ) 陂は池。
畔(ホトリ)
戲折(タハムレニヲル)
縹渺(ヘウベウ) ひろくかすかなさま。
婆娑(バサ) ぶらつくさま。
何如 如何 (イカン)に同じ。
物華(ブツクワ) 景色。
佳(ヨシ)
試看(ココロミニミル)
已(スデニ)
仙子岳(センシガタケ)
炊煙自湧(スヰエンオノヅカラワク)
野人 田舎の人。
標掛(ヘウクワ) 標はこずゑ。
嫩柳(ドンリウ) わかばのやなぎ。
湖水涯(コスイノミギハ)
回首(カウベヲメグラス)
幾日(イクニチカ)
著新花(シンクワヲツクル) |
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