資料57 カイロ宣言


            
カイロ宣言(日本国ニ関スル英、米、華三国宣言)

 

             千九百四十三年十一月二十七日カイロニ於テ署名
             
(本宣言ノ欧文ハ千九百四十三年十二月二日附「ロンドン、タイム
                  ズ」ヨリ之ヲ採リタリ)

                

 

 



 「ローズヴェルト」大統領、蔣介石大元帥及「チァーチル」総理大臣ハ各自ノ
 軍事及外交顧問ト共ニ北「アフリカ」ニ於テ会議ヲ終了シ左ノ一般的声明発
 セラレタリ
  「各軍事使節ハ日本国ニ対スル将来ノ軍事行動ヲ協定セリ
    三大同盟国ハ海路、陸路及空路ニ依リ其ノ野蛮ナル敵国ニ対シ仮借ナキ弾
    圧ヲ加フルノ決意ヲ表明セリ右弾圧ハ既ニ増大シツツアリ
    三大同盟国ハ日本国ノ侵略ヲ制止シ且之ヲ罰スル為今次ノ戦争ヲ為シツツ
    アルモノナリ右同盟国ハ自国ノ為ニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ズ又
    領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ
    右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ
    於テ日本国ガ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スル
    コト並ニ満洲、台湾及膨湖島ノ如キ日本国ガ清国人ヨリ盜取シタル一切ノ
    地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ
    日本国ハ又暴力及貪慾ニ依リ日本国ガ略取シタル他ノ一切ノ地域ヨリ駆逐
    セラルベシ
    前記三大国ハ朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シ軈テ朝鮮ヲ自由且独立ノモノ
    タラシムルノ決意ヲ有ス
    右ノ目的ヲ以テ右三同盟国ハ同盟諸国中日本国ト交戦中ナル諸国ト協調シ
    日本国ノ無条件降伏ヲ齎スニ必要ナル重大且長期ノ行動ヲ続行スベシ」

 

 





注) 1.「カイロ宣言」の本文は、ホームページ『国立公文書館 アジア歴史資料センター』
      所収の、マイクロフィルムによる映像によりました。
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2. 上記の映像資料は、外務省外交史料館所蔵資料のうち、外務省創立以来終戦
      までの外交活動にともなう史料「外務省記録」によるものの由です。

     3.漢字は、一部を除いて常用漢字に改めました。
     4.文中に「膨湖島」とありますが、普通は「澎湖島」と表記していると思います。また、
      「膨湖島」ではなく「澎湖島」と表記してある本文もあります。
     5.資料463に「Cairo Declaration」があります。
     6.資料19に「ポツダム宣言」が、資料21に「ポツダム宣言」(英文)があります。

  

 

                            

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