資料145 卒業式の歌「卒業式」(『学校必用唱歌集』所収)





 

    卒業式   加藤里路 作詞  楠美恩三郎 作曲

 

 



     (一の歌は全員二三の歌は卒業生のみ四の歌は
     在校生徒これを唱ふて卒業生を送るものとす)

(一)めぐみのつゆに。うるほひて。をしへのにはの。やちぐさの。
   はなのいろかは。おしなべて。ときをえしこそ。うれしけれ。
(二)ふかきうみより。いやまさる。をしへのおやの。こゝろざし。
   うけてまなびの。おきをこぐ。ふねのしるべぞ。たのもしき。
(三)おなじこずゑの。もゝちどり。さへづるはるに。あひぬれば。
   かなたこなたに。とびかへど。はなのねぐらは。わすれじな。
(四)はるにまづあふ。うぐひすは。はやくもたにを。たちいでゝ。
   はなのはやしに。うつるとも。ゆきのふるすを。かへりみよ。

 

 

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     (注) 1.出典は、『学校必用唱歌集』(加藤里路著、楠美恩三郎曲。京都・村上書店、
          明治29年6月発行)です。これは、『国立国会図書館デジタルコレクション』所収
          の画像本文によりました。
         2.楽譜には、「♩(4分音符)=104 ♯  ト長調 」という記載があります。
         3.資料143に、『卒業式の歌「恵みの露」(恵みの露に潤ひて……)』があります。
          ここには、作詞者や作曲者についての説明などがあります。
         4. 資料143に流れるメロディーと、『学校必用唱歌集』のメロディーとの違いは、
           (1)調子が資料143はヘ長調であるのに対して、こちらはト長調であること。
           (2)「やちぐさの」のところが、資料143では「3 5.2 3 1-」という音階で
             あるのに対して、『学校必用唱歌集』では 「3 5.2 3 1-」という音階に
             なっていること。
           の2点です。
         5. 参考までに、次に数楽譜を示しておきます。
          
     
                   卒業式 

                                  楠美恩三郎 作曲

               ♩=104   ト長調
                      ♯
              C  1│5. 4 3 │6-5 ,  5 │6.  3 1 │2- 


                 1│5. 6 5 │1-2 ,  3│5.  2 3  │1-
                                 ・ ・ ・ ・

                   5│2. 12  │3-1,  3│4.  3 2 │ 6-
                 ・                              ・

                           1│2. 3 3 │2-1 ,  2│5- 7 7  │1-
                                                                                          ・ ・



 
        

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