室長室007 詩「木曽御嶽にて」



       木曽御嶽にて
 
    頂近くの岩に腰を下ろし
快い疲れに身を任せながら
私は 夕方の日に彩られた
金色の雲を眺めていた

ひんやりとした清澄な大気の中で
輝く雲の壁は
しだいに その姿を変え
色相を変え……

ああ そこに流れていたのは
とうの昔に忘れ去ってしまっていた
あの 脈打つ生きた
「時間」ではなかったか──

薄れゆく光のなかで やがて
雲たちはしばしの眠りにつき
山は 夜のしじまの中で
ひとり目覚めているのであろう

 
 
  (注) 1.  木曽御嶽は、長野県西部 ・岐阜県境にそびえる海抜3067mの活火山で、古来信仰の山として有名です。
 木曽御嶽(木曽御岳)のほか、御嶽山(御岳山)あるいは単に 御嶽(御岳)と呼ばれたりしています。
   
    2.  中野俊氏の『ホームページ』に、木曽御嶽についての地質学的な 詳しい記述があり、そこで御嶽山のさまざまな風景写真を見ることができます。
(風景写真を見るだけなら、MENU→御嶽→最初のページの下にある「ここ」をクリックします。)
   
    3. 小泉清美氏の『日本百名山』というホームページに、フォトアルバムの コーナーがあり、そこで御嶽山の写真を見ることができます。
(Topページ→フォトアルバム→御嶽山)
 また、小泉氏の御嶽山登山記録を見ることもできます。(2005.4.1)
  (このホームページは、現在見られないようですので、リンクを外しました。2019年10月21日)  
   
    4.  この「木曽御嶽にて」という詩は、昭和50(1975)年5月号の『山と溪谷』の読者文芸欄に掲載されました。
 拙い詩ではありますが、若き日の山行の記念として、ここに 記録しておきたいと思います。(2005.3.20)

   
    
      

                  
   

 
       

 
        
      


 
           
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