文学クイズ の答え

      《文学クイズ 問41〜問50 の答え》

 

問41.高山樗牛の『滝口入道』 (明治26年の読売新聞の懸賞歴史小説に応募
            して入選した、当時帝国大学文科大学哲学科1年だった高山
           林次郎(樗牛)の小説。 当選発表は明治27年4月。1等は該
           当者がなく、高山は2等で、金時計を貰ったという。)
問42.中島敦の『名人伝』 (小説は、「趙の邯鄲の都に住む紀昌といふ男が、天
           下第一の弓の名人にならうと志を立てた。己の師と頼むべき人
           物を物色するに、当今弓矢をとつては、名手・飛衛に及ぶ者が
           あらうとは思はれぬ。百歩を隔てて柳葉を射るに百発百中する
           といふ達人ださうである。紀昌は遙々飛衛をたづねて其の門に
           入つた。」という文章で始まっている。)
問43.志賀直哉 (小説『暗夜行路』の、大山(だいせん)登山の一節です。)
問44.阿川弘之の『雲の墓標』(昭和30年、雑誌『新潮』に連載されました。)
問45.(2)連体格助詞。    「船人が」は「櫂(かい)」にかかる連体修飾語です。つまり、
   口語的に言えば、「船人の櫂の しづく(しずく)」となるところです。
問46.(1) この場合の「国」は、越後国・上野国の「国」なので、「くにざかい」と読むのが
       正しいと強く主張する人がいます。しかし一方で、「こっきょう」と読んでもいい
       のだ、と言う人もいて、結局はどちらに読んでもいい、というのが答えになりそ
       うです。「
こっきょう」と読んでもいいというのは、日本の国の境についても「こっ
       きょう」という言い方がなされていた、というのが根拠だそうです。
        想像するに、作者自身も「こっきょう」と読んでいたのではないか、とも
思われ
       ます。確認がとれていないのですが、かつてNHK教育テレビで「日本の文学・
       川端康成」が放送されたとき、ナレーターが「こっきょうのトンネル」と読んでい
       て、その場に康成氏がその朗読を聞いていた、という話があります。
        ということで、この問題の答えは、ア、イ の両方を正解とすることにします。
        なお、フリー百科事典『ウィキペディア』の「雪国」の項でもこの問題を取り上
       げていますので、どうぞご覧ください。(2014年9月5日・書き直し)
    (2) ア した(?)(「した」と仮名書きされた『山家集』の本文があります。しかし、
       これも、「もと」と読んでいいのだ、とする人もいるようです。これについても、
       ご意見をお聞かせいただければ幸いです。)
2010年8月5日・書き直し
    (3) イ みずさお  (が正しいのでしょうか?) 私は今まで「みなさお」と読んでい
      たのですが、辞書には「みなさお」は出ていません。尤も、「みずさお」も出ていな
      いのですが……。
        『広辞苑』第6版には、「みさお(ミサヲ)【水棹】(古くはミザヲとも)水中に差
      して船を進め、また、苫
とまを掛けるのにも用いる棹。みなれざお。拾遺「みつ
      瀬川渡る─もなかりけり」とはあるのですが、「みずさお」も「みなさお」も出てい
      ません。(この件についてお分かりの方がおられましたら、ぜひご教示ください。)

             近くの図書館で、『例解短歌国語辞典』(窪田空穂・尾山篤二郎著、創拓社・
      1990年10月25日第1刷発行)に、「水棹(みずさお)」とあるのを見かけました。
      やはり「みずさお」でしょうか。 (2009年8月26日付記)

問47.(1)若山牧水  (2)長塚節  (3)北原白秋  (4)島木赤彦  (5)夏目漱石
    (6)尾崎放哉 (吉村昭の小説に『海も暮れきる』があります。) (7)村上鬼城 
    (8)山口誓子 (9)種田山頭火 (10)高浜虚子 (11)正岡子規 (12)夏目漱石
問48.志賀直哉 (「城の崎にて」の一節)
問49.シェンキェヴィチの『クォ ヴァディス』。本文は、岩波文庫『クォ ヴァディス(下)』(河
   野与一訳、1954年8月5日第1刷発行・1983年6月20日第31刷発行)によりました。
      シェンキェビッチ [Henryk Sienkiewicz] =(1846−1916) ポーランドの小説家。
            歴史長篇で人気を博し、国民的作家として愛読された。1905年ノーベル
            文学賞受賞。長篇「クオ‐バディス」「大洪水」「十字軍の騎士」など。
                                       (『大辞林』第二版による)


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