(注) | 1. |
上記の詩は、『漢リポ Kanseki
Repository』(研究者から研究者への電子テキスト)というサイトに出ている『欽定四庫全書・文淵閣』の版本『劒南詩稾』(四庫全書・文淵閣)によりました。 ここに取り上げた『剣南詩稿』の猫の詩は、北海道教育大学学術リポジトリに掲載されている後藤秋正先生の紀要論文「猫と漢詩 札記ー古代から唐代までー」(注6参照)に教えていただいて選んだものです。 |
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2. |
〇『漢リポ Kanseki
Repository』(研究者から研究者への電子テキスト)に収録されている『欽定四庫全書・文淵閣』の『劒南詩稾』(四庫全書・文淵閣)について →『漢リポ Kanseki Repository』 → 版本『劒南詩稾 ‐ 宋 ‐ 陸游』四庫全書・文淵閣(KR4d0267) 〇『国立公文書館デジタルアーカイブ』の『剣南詩稿』について →『国立公文書館デジタルアーカイブ』 →『剣南詩稿』 |
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3. |
次に、『欽定四庫全書・文淵閣』の『劒南詩稾』の紙面と『国立公文書館デジタルアーカイブ』の『剣南詩稿』の紙面をリンクによって表示します。 「贈猫」… 巻第十五 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』 (015‐7b) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(62/94) 「得猫於近村以雪兒名之戲爲作詩」… 巻第二十三 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(023‐16b) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(55/67) 「戲詠閒適」… 巻第二十三 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(023‐16b~023‐17a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(56/67) 「十一月四日風雨大作」… 巻第二十六 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』 (026‐3b) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(8/67) 「贈粉鼻 畜猫名也」… 巻第二十八 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(028‐19a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(26/66) 「嘲畜猫」… 巻第三十八 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(038‐1b) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(5/68) 「贈猫」… 巻第四十二 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(042‐21a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(28/94) 「鼠敗書」… 巻第六十三 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(063‐8a ~ 8b) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(12/64) 「習嬾自咎」… 巻第六十四 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(064‐5a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(41/64) 「鼠屢敗吾書偶得貍奴捕殺無虗日羣鼠幾空爲賦此詩」… 巻第六十五 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(065‐4a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(8/65) 「小室」… 巻第六十九 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(069‐14b) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(79/91) 「歳末盡前數日偶題長句」… 巻第七十四 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(074‐13b) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(48/91) 「書歎」… 巻第八十 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(080‐9a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(43/62) 「嘉定己巳立秋得膈上疾近寒露乃小愈」… 巻第八十四 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(084‐7a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(41/77) 「贈猫」… 巻第八十五 →『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』(085‐8a) →『国立公文書館』の『剣南詩稿』(69/77) |
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4. |
『欽定四庫全書』の『劒南詩稾』と『国立公文書館』の『剣南詩稿』の主な文字の異同を次に示します。 『欽定四庫全書』 『国立公文書館』 巻第十五 迎 待 巻第三十八 銜 衘 巻第六十四 牀 床 巻第六十五 虗 虚 牀 床 暖 㬉 羊 胡 畫 画 譏 言+几 巻第六十九 二 三 巻第八十四 饑 飢 煖 煗 巻第八十五 卧 臥 |
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5. |
〇1首目の「贈猫」の詩について 題名「贈猫」は、「猫を贈らる」「猫に贈る」「猫を贈る」などと読まれているようです。 「裹鹽」は、「鹽をつつむ」と読む字で、「裹」は音「カ」、動詞で「つつむ」、名詞で「つつみ。まるく包んだもの」の意です。「裏(リ)」(「うら」「うち」)とは別字です。 「裹(カ)」の書き方:なべぶた( ![]() この詩は、淳熙10年(1183年)陸游が59歳のとき、故郷に隠居していたときの作だそうです。 この詩の訓読や口語訳等については、次のサイトを見てください。 (1)→『詩詞世界 碇豊長の詩詞』 → 贈猫(南宋 陸游) (2)→『漢詩と中国文化』 → 陸游 → 贈貍:陸游を読む (3)→『ねこと暮らす』(文献で歌われた猫たち) → 陸游 贈猫 〇4首目の「十一月四日風雨大作」の詩について この詩の訓読や口語訳等については、次のサイトを見てください。 (1)→『ねこと暮らす』(文献で歌われた猫たち) → 陸游「十一月四日風雨大作」 〇6首目の「嘲畜猫」の詩について 最後の細字の部分は、原文2行に分かち書きされている部分です。 〇10首目の「鼠屢敗吾書偶得貍奴捕殺無虚日羣鼠幾空為賦此詩」の詩について 最後の細字の部分は、原文2行に分かち書きされている部分です。 『国立公文書館』の『剣南詩稿』にある「衘」は、「銜」の異体字です。 |
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6. |
北海道教育大学学術リポジトリに、後藤秋正先生の紀要論文「猫と漢詩 札記ー古代から唐代までー」があって参考になります。ただし、ダウンロードして読む必要があります。 → 北海道教育大学学術リポジトリ → 後藤秋正「猫と漢詩 札記ー古代から唐代までー」 |
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7. |
陸游(りくゆう)=南宋前期の詩人。字は務観、号は放翁。山陰(浙江紹興)の人。金に対する抗戦を唱え、当局に嫌われて不遇の生涯を送る。詩は慷慨の気に満ちた愛国詩人の面と、農村の日常を愛する田園詩人の面とに特色を見る。范成大・楊万里・尤袤(ゆうぼう)とともに南宋四大家と称される。著「剣南詩稿」「渭南文集」「老学庵筆記」「入蜀記」など。(1125~1209) (『広辞苑』第7版による。) |
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8. | 資料326に 陸游の詩「客去」があります。 → 資料326 陸游の詩「客去」 |
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9. | 岩波文庫に『陸游詩選』があります。 → 岩波文庫『陸游詩選』 |
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10. |
読游会(陸游の詩を読み、よく学びよく遊ぶ会)のサイトがあります。 → 読游会(陸游の詩を読み、よく学びよく遊ぶ会) 読游会について知るために、読游会(陸游の詩を読み、よく学びよく遊ぶ会)のサイトに出ている『漢詩道場 読游会の記録 上』の紹介文を次に転記させていただきます。 * * * * * 漢詩読解の道場、読游会は1993年4月に始まった。主宰するのは一海知義先生である。大学を退官後に、先生を慕う学生が、漢詩の読みを鍛える場として設けられた。勉強会の名称「読游」は二つの意味を兼ねる。一つは南宋の詩人、陸游の詩を読む会であること。もう一つは、「読」は学習に通じ、「游」は遊に通じる。「よく学びよく遊べ」という意味を込めている。会は月に一回開き、その記録は、『一海知義の漢詩道場』と題して、2004年、そして2008年に、岩波書店より正続二冊を上梓した。その後も、会での討論を記録する者がいて、ほぼ毎回記録を取って、主宰者一海先生に加え、師範役の筧文生先生と興膳宏先生にも、お目を通して、ご意見を賜って記録に反映させるという作業を続けた。その前半部分がこの冊子である。2015年に一海先生が館を捐てられました。その後も、筧先生と興膳先生に教えを乞い、会は続けることができたが、新型コロナウイルス感染症が蔓延したため、2020年より休会が続いていた。そうして、2023年に興膳宏先生も館を捐てられました。興膳先生のお別れの会に、久しぶりに会員が集い、最後の会を設けることになりました。この冊子を上梓するのは、それを記念するためのものである。最後の会の記録を加えて、下冊も上梓する予定である。 * * * * * |