(注) | 1. | 上記の陸游の詩「客去」は、NHKライブラリー190『漢詩をよむ 陸游100選』(石川忠久著、2004(平成16)年12月15日第1刷発行)によりました。 | |||
2. | 嘉泰元(1201)年、陸游77歳の作。『漢詩をよむ 陸游100選』の著者・石川忠久氏は、「禅味のある小品。とぼけた味わいは、李白
[山中にて幽人と対酌す] 詩の「我酔うて眠らんと欲す 卿(きみ)
且(しばら)く去れ」に通うものがある」と評しておられます。 (参考) 山中與幽人對酌 李白 兩 人 對 酌 山 花 開 一 杯 一 杯 復 一 杯 我 醉 欲 眠 卿 且 去 明 朝 有 意 抱 琴 來 山中にて幽人と対酌す 両人対酌すれば 山花開く 一杯一杯 復た一杯 我酔うて眠らんと欲す 卿(きみ)且(しばら)く去れ 明朝意有らば 琴を抱(いだ)いて来(きた)れ (語句) 〇幽人……世を避けて山奥に住んでいる人。 〇我酔欲眠卿且去……六朝の詩人陶淵明は酒が大好きで、誰が訪れて来ても一緒に酒を飲んだが、彼は先に酔っぱらってしまうと、客に向かって言った、「私は酔うて眠たくなった。君もひとまず帰りたまえ」。 <「山中與幽人對酌 李白」の詩については、『中国詩人選集7』李白・上(武部利男・注、岩波書店・昭和32年11月20日第1刷発行)によりました。> |
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3. | 「蒲団(ほたん)」は、蒲(がま)や麦わらで編んだ円形の敷物。座布団のようなもの。 | ||||
4. | 〇陸游(りく・ゆう)=南宋前期の詩人。字は務観、号は放翁。浙江山陰(紹興)の人。金に対する抗戦を唱え、当局者に嫌われて不遇の生涯を送る。詩は慷慨の気に満ちた愛国詩人の面と、農村の日常を以する田園詩人の面とに特色を見る。范成大・楊万里・尤袤(ゆうぼう)とともに南宋四大家と称される。著「剣南詩稿」「渭南文集」「老学庵筆記」「入蜀記」など。(1125-1209)(『広辞苑』第6版による。) | ||||
5. | 陸游の詩では、次の「遊山西村(山西の村に遊ぶ)」がよく知られています。 遊山西村 陸游 莫笑農家臘酒渾 豐年留客足鷄豚 山重水複疑無路 柳暗花明又一村 簫鼓追隨春社近 衣冠簡朴古風存 從今若許閑乘月 拄杖無時夜叩門 山西(さんせい)の村に遊ぶ 陸游 笑ふ莫(なか)れ農家の臘酒(ろうしゅ)渾(にご)れるを 豊年(ほうねん)客(かく)を留(とど)むるに鶏豚(けいとん)足る 山重水複(さんちょうすいふく)路(みち)無きかと疑へば 柳暗花明(りゅうあんかめい)又(ま)た一村(いっそん) 簫鼓(しょうこ)追随して春社(しゅんしゃ)近く 衣冠(いかん)簡朴(かんぼく)にして古風存(そん)す 今より若(も)し閑(かん)に月に乗(じょう)ずるを許さば 杖(つえ)を拄(つ)き時と無く夜(よる)門を叩(たた)かん |
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