(注) | 1. |
上記の本文は、『大正新脩大蔵経』第二巻 阿含部下(大正一切経刊行会 大正13年9月15日発行)に拠りました。ただし、本文に付いている句点だけは残して返り点は省略しました。 この本文は「増壹阿含経巻第十一 善知識品第二十」の(12)に出ています。訳者については、東晋賓三藏瞿曇僧伽提婆譯とあります。 『大正新脩大蔵経』第二巻 阿含部下は、国立国会図書館デジタルコレクションに入っています。 → 国立国会図書館デジタルコレクション → 『大正新脩大蔵経』第二巻 阿含部下 309/456 |
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朱利槃特(しゅりはんどく)について しゅりはんどく【周利槃特】=(梵語 Cūḍapanthaka )釈尊の弟子の一人。兄の摩伽槃特が聡明だったのに比し、非常に愚鈍であったが、仏の教えにより後に大悟したという。悟りに賢・愚の別がないことのたとえとされる。槃特。(『広辞苑』第7版による。) しゅうりはんどく【周利槃特・周利盤特】=(梵 Cūḍapanthaka )釈尊の弟子の一人。兄の摩伽槃特が聰明だったのに比し愚鈍であったが、後に大悟したという。十六羅漢の一人。半託迦、般陀、般兎などとも称する。しゅりはんどく。転じて、愚か者。ばか者。*方丈記(1212)「わづかに周利槃特が行にだに及ばず」(『精選版 日本国語大辞典』による。) 引用者注:どういうわけか、どちらも「朱利槃特」とも書かれることには触れていません。。 梵語の Cūḍapanthaka をどう読むかによって、「しゅりはんどく」「しゅうりはんどく」の二つの読みが生まれ、漢字も「朱利槃特」「周利槃特」「周利盤特」という当て字が生まれたのでしょう。 |
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3. |
〇フリー百科事典『ウイキペディア』に「周利槃特」の項目があります。ただし、「この項目は仏教・宗教家に関連した書きかけの項目で、加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています」としてありますので、その点注意してください。 → フリー百科事典『ウィキペディア』 → 周利槃特 〇日本仏教学院のサイトに、「仏教ウェブ入門講座」があって、そこに「周利槃特(しゅりはんどく)とは?」があって参考になります。 → 日本仏教学院 → 「仏教ウェブ入門講座」「周利槃特(しゅりはんどく)とは?」 |
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4. | 『大正新脩大蔵経』第二巻 阿含部下に記載されている本文の異同について触れておきます。 (1)便詣祇洹=便詣祇桓(明本) (2)以天眼清淨觀是=以天眼清淨觀見(宋・元・明三本) (3)朱利槃特報曰=朱利槃特報白(元本) (4)詣靜室敎使就坐=將詣靜室敎使就坐(將あり。宋・元・明三本) (5)世尊復敎使執掃㨹=世尊復敎使執掃篲(宋・元・明三本) その他の「㨹」も「篲」 (6)世尊何故以此敎悔我=世尊何故以此敎誨我(宋・元・明三本) (7)所作已辦更不復受胎有=所作已辦更不復受復有(宋本) =所作已辦更不復受後有(元本・明本) (8)已成阿羅漢即從坐起詣世尊所=已成阿羅漢即從座起詣世尊所(宋・元・明三本) (9)爾時尊者聞世尊所説=爾時尊者聞佛所説(宋・元・明三本) (付記)『SAT大正新脩大藏經テキストデータベース』に出ている東京大学総合図書館蔵の『増壹阿含經』巻十一〔嘉興藏(万暦版大藏經)〕には、この資料668として引いた『大正新脩大蔵経』第二巻阿含部下の本文「爾時尊者朱利槃特誦此㨹掃乃經數日」の「㨹掃」が「掃篲」となっています。 →『SAT大正新脩大藏經テキストデータベース』 |
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5. | この話をやさしく書いたものが次の資料にありますので、ご覧ください。 → 資料669 朱利槃特(二入素堂著『お釈迦様がやさしく説いた仏教入門』より) |
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