資料45 立原道造の詩「草に寝て……」

 

 

   草に寝て……

 

 

        六月の或る日曜日に

 

 

                 立 原  道 造

それは 花にへりどられた 高原の
林のなかの草地であつた 小鳥らの
たのしい唄をくりかへす 美しい声が
まどろんだ耳のそばに きこえてゐた

私たちは 山のあちらに
青く 光つてゐる空を
淡く ながれてゆく雲を
ながめてゐた 言葉すくなく

──しあはせは どこにある?
山のあちらの あの青い空に そして
その下の ちひさな 見知らない村に

私たちの 心は あたたかだつた
山は 優しく 陽にてらされてゐた
希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだつた
 

 

 

    

    (注) 
1. 詩の本文は、岩波文庫『立原道造詩集』(杉浦明平編・1988年3月16日第1刷発行)
         によりました。
          この詩は、同詩集の「拾遺詩篇」に収められています。
        2. 立原道造については、「立原道造記念館」のホームページが参考になります。
               3. 立原道造の詩は、メールマガジン「立原道造詩集」や、電子図書館「青空文庫」
                  読むことができます。
               4. 日本ペンクラブ「電子文藝館」では、詩集『萱草に寄す』と『暁と夕の詩』を読むことが
                  できます。
        5. 『つれづれの文車─趣味の文書室─』というサイトに「立原道造」のページがあり、
         そこで岩波文庫からとった彼の詩を読むことができます。

     
          
                                   
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