(注) | 1. | 上記の「老人へ教訓の歌の事」(根岸鎭衛『耳袋』巻4より)の本文は、東洋文庫207『耳袋 1』(根岸鎮衛著、鈴木棠三編注。平凡社・1972年3月29日初版第1刷発行)によりました。 ただし、漢字を旧字体に、仮名遣いを歴史的仮名遣いに改めてあります。 | |||
2. | 東洋文庫207『耳袋 1』の凡例に、「本書は、三一書房刊『日本庶民生活資料集成巻16』所収の10巻本を基にして、本文を作製したものである」とあります。 | ||||
3. | 語句の注を少し。 3首目の「よだたらす目しるはたえず鼻たらすとりはずしては小便もする」の「とりはずしては」の「とりはずす」は、うっかりして失敗する、そそう(粗相)をする、の意。 後から2首目の「身にそふは頭巾襟巻杖眼鏡たんぽ温石しゆびん孫の手」の「たんぽ」は、「湯婆」で、湯たんぽ、のこと。「温石」は、おんじゃく(をんじゃく)。焼いた石を綿や布で包んだもの。寒いときや病気のときに、懐中に入れて身体を暖めるもの。「しゆびん」(しゅびん)は、溲瓶。「しびん」とも。寝床のそばに備えて置いて、小便をするときに使う容器。 |
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4. | 〇横井也有(よこい・やゆう)=江戸中期の俳人。名は時般ときつら。別号に野有、知雨亭・半掃庵など。尾張藩の重臣。多才多能の人で軽妙洒脱な俳文に最も秀で、俳文集「鶉衣」によって名高い。(1702~1783) 〇耳袋・耳囊(みみぶくろ)=随筆。根岸鎮衛やすもり著。10巻。1814年(文化11)成る。立身して勘定奉行・江戸町奉行などを勤めた著者が、巷説・奇談・教訓話などを書き留めたもの。 〇根岸鎮衛(ねぎし・やすもり)=江戸後期の江戸町奉行。一名、守信。随筆「耳囊 みみぶくろ」の著者。(1737~1815) (以上、『広辞苑』第6版による) |
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5. |
横井也有は、『鶉衣』の中の「物忘翁伝」で、歳をとって物忘れすることは悪いことばかりでなくいいこともある、と言っています。 → 資料664 横井也有「物忘翁伝」(『鶉衣』より) |
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