問題1.の答え
c.
およそ5㎞
(解説)
地球の半径をr、視点の高さをh、水平線までの距離をxとすると、
三平方の定理から、
x 2
= (r+h)2
- r2
=
r2
+ 2rh
+ h2 - r2
=
2rh
+ h2 x = √(2rh
+ h2)
いま、地球の半径を約6400㎞と考え、
視点の高さを約1.5m(0.0015㎞)とすると、
求める水平線までの距離xは、 x
= √(2×6400×0.0015)
= √19.2 = 4.38178……
水平線までの距離は、およそ4.5㎞ということになるので、 答えは「c.
およそ4.5㎞」ということになります。
もし、1000mの山頂から水平線を眺めたとすると、 x
= √(2×6400×1)
= √12800 = 113.137……
となって、およそ110㎞先まで見えることになります。 つまり、視点の高さによって見える水平線までの距離は変わるわけです。
問題2.の答え
f.大人がちょっとかがめば抜けられるくらいのすき間
(解説)
地球の半径をrとすると、赤道の長さ(地球の周の長さ)は
2πrですから、これを10m長くすると、 2πr+10
(m)
ここで、すきまの高さをhとすると、 2πr+10
(m)
= 2π(r+h) =
2πr+2πh 2πh=10
(m)
h=10/2π = 5/π = 1.59…
(m)
つまり、すき間の高さは約1.6mとなります。
とすれば、大人が少し身をかがめれば抜けられるすき間(高さ) ということになります。 ここで注目されることは、h=10/2πとなるので、半径の大きさは
無関係になる、ということです。 高校講座で講師の先生が言っておられたように、それが地球でなく
ピンポン球であっても、 鉢巻きを10m長くすると、すき間は約1.6mできる、 ということになるわけです。
4万メートルの長さの鉢巻きを、わずか10メートル長くしただけで、 約1.6メートルものすき間ができるとは、ちょっと意外ですね。
なお、「数学小話」というページがあり、そこに「地球の鉢巻き」という 項目があって、同じ問題を取り上げています。そこでは、鉢巻の長さを 1メートルだけ長くしたら、どのくらいのすき間ができるだろうか、と尋 ねています。 (この「数学小話」のページが消えてしまいましたので、リンクを
外しました。2019年9月14日)
問題3.の答え
(1) 13
(解説)
数の並び方は、それぞれ前の数字を二つ足した大きさになっています。 したがって、空所には、5+8=13 が入ることになります。そして、この次 は8+13=21 が来ることになります。
(2) フィボナッチ数列
(解説)
このような数字の並びを、「フィボナッチ数列」といいます。 それは、イタリアの数学者フィボナッチが発見したことによるからです。
フィボナッチの著書『算盤の書』(1202年)の中に、次のような兎の問題 があるそうです。 問題:ここに1つがいの兎がいる。兎は、1か月経つと1つがいのこどもを 産む。生まれた兎は、2か月後に1つがいのこどもを産む。こうして兎 が次々にこどもを産んでいくと、1年の間に何つがいの兎になるか。 この問題から、フィボナッチ数列という名が生まれたのだそうです。
この兎の問題の答えと詳しい解説は、『私的数学塾』というサイトの
「フィボナッチ数を極める」というページを参照してください。 この『私的数学塾』というサイトには、興味深い数学の話題その他がたくさん 取り上げてありますので、ぜひご覧下さい。
このフィボナッチ数列は、自然界のいろいろなところ、例えば、木の枝分かれ の数や、ひまわりの種の配列などに見られるそうです。
|