資料79 文部省唱歌「二宮金次郎」




         二宮金次郎     文部省唱歌


一 柴刈り繩なひ草鞋(わらぢ)をつくり、
    親の手を助(す)け弟(おとと)を世話し、
  兄弟仲よく孝行つくす、
    手本は二宮金次郎。

二 骨身を惜(をし)まず仕事をはげみ、
    夜なべ済まして手習(てならひ)読書、
  せはしい中にも撓(たゆ)まず学ぶ、
    手本は二宮金次郎。

三 家業大事に費(つひえ)をはぶき、
    少しの物をも粗末にせずに、
  遂には身を立て人をもすくふ、
    手本は二宮金次郎。


        ─ 『尋常小学唱歌(二)』明治44年6月


  (注) 1.  歌詞は、岩波文庫『日本唱歌集』(堀内敬三・井上武士/編、昭和30年12月 20日第1刷発行)によりました。ただし、表記を歴史的仮名遣いに変えました。    
    2.  講談社文庫の『日本の唱歌 [上] 』(明治篇)(金田一春彦・安西愛子/編、 昭和52年10月15日第1刷発行、昭和57年7月30日第3刷発行)によれば、「この歌は、昭和16年の『ウタノホン』で姿を消した」そうです。            
    3.  『幼年唱歌(四ノ下)』(明治35年9月)に、桑田春風(くわだ・しゅんぷう)作詞、田村虎蔵作曲の「二宮尊徳」があります。

    二宮尊徳    桑田春風
一 朝(あした)に起きて、山に柴刈り、
  草鞋(わらぢ)作りて、夜(よ)は更くるまで、
  路ゆく暇(ひま)も、書(ふみ)を放たず、
  あはれ、いぢらし、この子、誰(た)が子ぞ。
二 勤倹力行(りよくかう)、農理をさとり、
  世に報徳の、教(をしへ)をつたへ、
  荒地拓(ひら)きて、民を救ひし、
  功績(いさを)のあとぞ、二の宮神社。 

 上記の歌詞は、講談社文庫の『日本の唱歌 [上] 』(明治篇)(金田一春彦・安西愛子/編)により、仮名遣いを歴史的仮名遣いに改めました。  
   
    4.  『d-score』というサイトで、栢山混声合唱団による、文部省唱歌「二宮金次郎」の合唱を聞くことができます。
  → 『d-score』
  → 「二宮金次郎」
   
           
           







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