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(注) |
1. |
本文は、『寺田寅彦全随筆 1
』(岩波書店、1991年12月4日第1刷発行)によりました。 |
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2. |
本文中、下線を付けた「こなされ」は、『寺田寅彦全随筆 1』では傍点が付けられている部分です。 |
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3. |
仮名2字の繰り返し符号(平仮名の「く」「ぐ」を長く伸ばしたような形の踊り字)は、普通の仮名に改めてあります。
また、「屢々」が2か所出てきますが、原文ではこの部分は、「屢」の次に平仮名の「こ」を平らに押し潰したような形の繰り返し符号(踊り字)を小さく添えて、「しばしば」と読ませているものです。上の本文では、その小さく添えられた繰り返し符号(踊り字)を「々」で代用して「屢々」としました。 |
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4. |
参考までに、『寺田寅彦全集 第2巻』(全17巻、岩波書店
1960年11月7日第1刷発行・1976年6月15日第3刷発行)による漢字の読み方を、現代仮名遣いでいくつか補っておきます。(同全集は、全文が現代仮名遣いで表記されています。)
日向ぼつこ……ひなたぼっこ
陽炎……かげろう
喰み出した……はみだした (色紙の)片……きれ
片々……きれぎれ 「盪」……とう (製紙場の)槽……ふね
意氣地……いくじ
假令……たとえ
午砲……ドン |
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5. |
寺田寅彦(てらだ
とらひこ) 1878~1935 (明治11年~昭和10年)物理学者、随筆家。吉村冬彦、藪柑子(やぶこうじ)などの筆名がある。東京麹町に生まれた。父は高知県士族。東京帝国大学物理学科卒業。第五高等学校在学中、夏目漱石に英語、田丸卓郎に数学、物理を学んで深い影響を受けた。実験物理学を専攻し、1908年、≪尺八の音響学的研究≫で理学博
士、翌年東大助教授。ヨーロッパ留学を経て、16年東大教授となる。すでに小品の発表はあったが、20年病気療養中のころから随筆を書き始め、23年≪冬彦集≫≪藪柑子集≫を刊行。同年の関東大震災を機に地震研究にも従事、東大地震研究所、航空研究所、理化学研究所にかかわった。研究は地球物理学、気象学、応用物理学など多方面にわたり、X線回折のラウエ斑点の研究方法の改良によって学士院賞を得た。29年、第3随筆集 ≪万華鏡(カレイドスコープ)≫ を刊行、ほかに ≪続冬彦集≫ ≪柿の種≫ ≪蒸発皿≫ ≪触媒≫ など多くの随筆集があるが、いずれも実験物理学の精細な目と豊かな文学的・芸術的感覚が融合した独自の風格を見せており、寅彦を日本近代における屈指の随筆家たらしめている。≪寺田寅彦全集≫全18巻がある。(平凡社『国民百科事典
9』<1978年1月20日初版発行>の平岡敏夫氏の
解説による。) |
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6. |
浅草紙=すきがえし紙の下等品。主におとし紙に用いる。江戸時代に、多く浅草山谷や千住辺から産出したからいう。(『広辞苑』第五版による。) |
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