資料658 賓頭盧為優陀延王説法経



       賓頭盧爲優陀延王説法經


賓頭盧爲優陀延王説法經云。昔輔相子賓頭盧阿羅漢。爲優陀延王。説偈云
  生老病死患  於中未解脱
  無明受毒箭  猶未得拔出
  人帝汝云何  而生樂著想
  如象處林中  四邊大火起
  處此急難處  云何有歡喜
  大王應當知  榮位須臾間
  智者深觀察  不應於此事
  而生希有想  汝何故錯解
  未脱生死胎  横生無畏想
  欲賊劫諸根  横生無畏想
  無常不堅固  如芭蕉水沫
  亦如浮雲散  天王尊勝位
  危脆亦如是  人帝應當知
  貪利極速駛  如水注深谷
  嗜欲極輕疾  動轉如掉索
  愚癡染爲欲  不覺致墮落
尊者言。大王。我今爲王略説譬喩。王至心聽。昔日有人行在曠路。逢大惡象爲象所逐。狂懼走突無所依怙。見一丘井即尋樹根入井中藏。上有黑白ニ鼠互齧樹根。此井四邊有四毒蛇欲螫其人。而此井下有三大毒龍。傍畏四蛇。下畏毒龍。所攀之樹其根動搖。樹上有蜜五滴墮其口中。于時動樹敲壞蜂窠。衆蜂散飛唼螫其人。有野火起復來燒樹。大王當知。彼人苦惱不可稱計。而彼人得味甚少苦患甚多。其所味者如牛跡水。其所苦患猶如大海。味如芥子苦如。須彌。味如螢火苦如日月。如藕根孔比於太虚。亦如蚊子比金
趐鳥。其味苦惱多少如是尊者言。大王曠野者喩於生死。彼男子者喩於凡夫。象喩於無常丘井喩於人身。樹根喩於人命。白黑鼠者喩於晝夜。齧樹根者喩念念滅。四毒蛇者喩於四大。蜜者喩於五欲。衆蜂喩惡覺觀。野火燒者喩其老邁。下有三毒龍者喩其死亡堕三惡道。是故當知。欲味甚少苦患甚多。生老病死於一切人皆得自在。世間之人身心勞苦無歸依處。衆苦所逼輕疾如電。是可憂愁不應受著

 


  (注) 1.  この「賓頭盧為優陀延王説法経」は、『大正新脩大蔵経 第五十三巻 事彙部上』(大正一切経刊行会、昭和3年1月15日発行)所収の『法苑珠林巻四十五』によりました。

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  →『大正新脩大蔵経 第五十三巻 事彙部上』327 /396
   
    2.  『仏説譬喩経』(『大正新脩大蔵経』第4巻による)が資料650にあります。
 → 資料650『仏説譬喩経』(『大正新脩大蔵経』第4巻による)
   
    3.  「二鼠、四蛇」についての「日本挽歌」の序(万葉集巻五)が資料660にあります。
 → 資料660 「日本挽歌」の序(万葉集巻五)
   








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