資料53 領海及び接続水域に関する法律



        領海及び接続水域に関する法律  [昭和52.5.2 法律30号]
                        改正 平8─法73


(領海の範囲)
第1条 我が国の領海は、基線からその外側12海里の線(その線が基線から測定して中間線を超えているときは、その超えている部分については、中間線(我が国と外国との間で合意した中間線に代わる線があるときは、その線)とする。)までの海域とする。
2 前項の中間線は、いずれの点をとつても、基線上の最も近い点からの距離と、我が国の海岸と向かい合つている外国の海岸に係るその外国の領海の幅を測定するための基線上の最も近い点からの距離とが等しい線とする。

(基線)
第2条 基線は、低潮線、直線基線及び湾口若しくは湾内又は河口に引かれる直線とする。ただし、内水である瀬戸内海については、他の海域との境界として政令で定める線を基線とする。
2 前項の直線基線は、海洋法に関する国際連合条約(以下、「国連海洋法条約」という。)第7条に定めるところに従い、政令で定める。 
3 前項に定めるもののほか、第1項に規定する線を基線として用いる場合の基準その他基線を定めるに当たつて必要な事項は、政令で定める。

(内水又は領海からの追跡に関する我が国の法令の適用)
第3条 我が国の内水又は領海から行われる国連海洋法条約第111条に定めるところによる追跡に係る我が国の公務員の職務の執行及びこれを妨げる行為については、我が国の法令(罰則を含む。第5条において同じ。)を適用する。

(接続水域)
第4条 我が国が国連海洋法条約第33条1に定めるところにより我が国の領域における通関、財政、出入国管理及び衛生に関する法令に違反する行為の防止及び処罰のために必要な措置を執る水域として、接続水域を設ける。
2 前項の接続水域(以下単に、「接続水域」という。)は、基線からその外側24海里の線(その線が基線から測定して中間線(第1条第2項に規定する中間線をいう。以下同じ。)を超えているときは、その超えている部分については、中間線(我が国と外国との間で合意した中間線に代わる線があるときは、その線)とする。)までの海域(領海を除く。)とする。 
3 外国との間で相互に中間線を超えて国連海洋法条約第33条1に定める措置を執ることが適当と認められる海域の部分においては、接続水域は、前項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、基線からその外側24海里の線までの海域(外国の領海である海域を覗く。)とすることができる。

(接続水域における我が国の法令の適用)
第5条 前条第1項に規定する措置に係る接続水域における我が国の公務員の職務の執行(当該職務の執行に関して接続水域から行われる国連海洋法条約第111条に定めるところによる追跡に係る職務の執行を含む。)及びこれを妨げる行為については、我が国の法令を適用する。

附 則

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日[昭和52.7.1─昭和52政209号]から施行する。

(特定海域に係る領海の範囲)
2 当分の間、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道及び大隅海峡(これらの海域にそれぞれ隣接し、かつ、船舶が通常航行する経路からみてこれらの海域とそれぞれ一体をなすと認められる海域を含む。以下「特定海域」という。)については、第1条の規定は適用せず、特定海域に係る領海は、それぞれ、基線からその外側3海里の線及びこれと接続して引かれる線までの海域とする。
3 特定海域の範囲及び前項に規定する線については、政令で定める。
 
附 則 [平成8.6.14 法73号]

 この法律は、海洋法に関する国際連合条約が日本国について効力を生ずる日[平成8.7.20]から施行する。


  (注) 1.   本文は、『岩波コンパクト六法』平成14(2002)年版によりました。         
    2.  文中 [  ] で囲んであるものは、編集者がつけたものの由です。    
    3.   原文の条文中の漢数字は、「二月」を除いてすべて引用者が算用数字に改めました。
 また、上掲書の項番号の丸数字は、①は取り除き、他は丸のない普通の数字に改めました。ただし、附則の①だけは、1として残しました。
   
           
           
           





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