資料473 鎭州普化禅師本則並びに往来手形
鎭州普化禅師本則並びに往来手形
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本 則 |
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刕々 庄屋 |
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(注)
1.
上記の「鎭州普化禅師本則並びに往来手形」は、ある資料によって記述しました。本則の「○○氏」の○○のところには、付与された人の姓が入っています。包み紙の表に、「鎭州普化禅師本則」と書いてあります。「本則」とは、虚無僧の認可証のことです。
2.
平仮名の「こ」を押しつぶした形の繰り返し符号は、ここでは「々」に置き換えてあります。
また、本則の「霍丈居士」の「丈」には、点(、)の付いた漢字が用いられています。往来手形の中の「国々 御関所海陸共ニ」の「国」には、「囦」に似た形の漢字が用いられています。「刕」は、「州」の異字体です。
3.
本則にある「來日大悲院裏齊」の「齊」は、正しくは「齋」だと思われます。また、「齊」の前に「有」がほしいところですが、脱字なのか、あるいは「齊」だけで「齊(齋)あり」と読ませるのか、よく分かりません。
4.
「明頭來明頭打暗頭來暗頭打四方八面來旋風打虚空來連架打」は、普通「みょうとうらいや、みょうとうた。あんとうらいや、あんとうた。しほうはちめんらいや、せんぷうた。こくうらいや、れんかだ」と読んでいるようです。
5.
『尺八備忘帳』というサイトに、「邦楽豆辞典」があり、そこの「本則」に、次のように出ています。
本則:虚無僧の認可証である。本来、虚無僧は町人等には尺八を教えないのが建前なのだが、有力な収入源として弟子をとっていた。この弟子が臨時に虚無僧になることを望んだときに本則を与えるが、本当の虚無僧とは違い、本則弟子という。
また、虚無僧が他国に旅する場合、寺から“往来”という手形を出すが、本則弟子の場合、“通印”という手形を出す。ただ、本当の虚無僧であるにはこの他に
“会判”(会合印)が無ければならない。
『尺八備忘帳』
→ 「邦楽豆辞典」
→ 「本則」
6.
明和七年は、西暦1770年です。
7.
宇都宮の松岩寺については、『尺八古典本曲練習帳』というサイトに、「松巖寺跡と正安寺跡、そして天蓋修行」というページがあって参考になります。
『尺八古典本曲練習帳』
→ 「松巖寺跡と正安寺跡、そして天蓋修行」
8.
〇普化(ふけ)=唐代の禅僧。普化宗の開祖。鈴を振って遊行し、衆生を教化した。(─860)
〇普化宗(ふけしゅう)=江戸時代に盛行した禅宗の一派。唐の普化を祖とし、1254年(建長6)に東福寺の覚心が伝来。その徒を虚無僧(こむそう)といい、尺八を吹いて諸国を巡行。下総一月寺・武蔵鈴法寺を本山としたが、1871年(明治4)廃宗。(以上、『広辞苑』第6版による。)
9.
資料345に、「臨済録「明頭来明頭打……」(勘弁 七)」があります。
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