資料363 宮本武蔵「独行道」
獨 行 道 宮本武藏
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一、世々の道をそむく事なし |
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(注)
1.
上記の「獨行道」の本文は、熊本県立美術館のホームページ所収の熊本県立美術館蔵・紙本墨書『獨行道(宮本武藏)』に拠り、他の資料を参考にして記載しました。(検索する時は「独行道」で検索してください。)
熊本県立美術館
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「紙本墨書『独行道(宮本武蔵)』
→ 紙本墨書『独行道(宮本武藏)』(拡大画像)
お断り: 現在、
紙本墨書『独行道(宮本武藏)』(拡大画像)は見られないようです。各自の器具で拡大してご覧ください。
主な参考資料は次の通りです。
(1)WIKISOURCE 「獨行道」
(2)紫藤誠也「宮本武蔵之『独行道』」(『語文研究』第24号、昭和42年10月25日・九州大学国語国文学会発行)
(3)宮本武蔵遺蹟顕彰会編『宮本武藏』(金港堂書籍株式会社、明治42年4月27日発行)
(4)『普及版 宮本武藏名品集成』(細川護貞監修・丸岡宗男編、講談社・昭和59年4月15日第1刷発行)
(5)講談社学術文庫『五輪書』(鎌田茂雄著、昭和61年5月10日第1刷発行・昭和63年8月20日第6刷発行)
なお、普通の表記に直した「獨行道」の本文が、注5にあります。
2.
本文中の「一、末々代物なる古き道具を所持せす」の「物」は、よく判読できないところですが、普通 「物」と読んでいるところなので、ここでもそれに従いました。
3.
この熊本県立美術館蔵・紙本墨書『獨行道(宮本武藏)』は、武蔵の自筆によるものとされています。制作年は、正保2年(1645年)です。フリー百科事典『ウィキペディア』によれば、「獨行道」は、「死の7日前、正保2年(1645年)5月12日に弟子の寺尾孫之允(丞)に兵法書『五輪書』とともに与えたとされている」そうです。
フリー百科事典『ウィキペディア』
→ 「独行道」)
4.
宮本武蔵(みやもと・むさし)=江戸初期の剣客。名は玄信。二天と号。播磨(一説に美作)生れという。武道修業のため諸国を遍歴して二刀流を案出し、二天一流の祖。佐々木巌流との試合が名高い。晩年は熊本に住み、水墨画もよくした。著「五輪書」。(1584?-1645)(『広辞苑』第6版による。)
5.
上記の「獨行道(二十一箇條)」を普通の表記に書き改めたものを次に示します。(解釈を誤って いるものがあるかもしれませんので、ご注意ください。2011年2月24日)
獨行道 (二十一箇條) |
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一、世々の道を背く事なし。 |
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6. | 宮本武蔵遺蹟顕彰会編『宮本武藏』(金港堂書籍株式会社、明治42年4月27日発行)には、この「獨行道」が十九条の形で挙げられています。 この人嘗て獨行道と稱し、自戒の文十九條を自署して云く、世々の道に背くことなし(一) 萬づ依怙の心なし(二) 身に樂をたくまず(三) 一生の間欲心なし(四) 我事に於て後悔せず(五) 善惡につき他を妬まず(六) 何の道にも別を悲しまず(七) 自他ともに恨みかこつ心なし(八) 戀慕の思なし(九) 物事に數奇好みなし(十) 居宅に望なし(十一) 身一つに美食を好まず(十二) 舊き道具を所持せず(十三) 我身にとり物を忌むことなし(十四) 兵具は格別、餘の道具たしなまず(十五) 道にあたつて死を厭はず(十六) 老後財寶所領に心なし(十七) 神佛を尊み神佛を頼まず(十八) 心常に兵法の道を離れず(十九) 武藏は素より劍道の達人にして、劍客を以て世に名ある人なり、然れどもこの自戒の文を味はゞその心いかに潔く、いかに強く、いかに名利を厭ひ、いかに貪慾を惡みしかを知るべし「寒流滯レ月澄如レ鏡」とは武藏自から好みて常に書きたりといへり、この人の心またかくの如きものありしならむ、嗚呼武藏は一の劍客のみにはあらざりしなり、近世の偉丈夫なりしなり」云々(同書、6~7頁) この宮本武蔵遺蹟顕彰会編『宮本武藏』の本文は、『国立国会図書館デジタルコレクション』所収の画像に拠りました。 『国立国会図書館デジタルコレクション』 → 『宮本武蔵』 (27/153) 付記:この『宮本武藏』の「獨行道」十九条について、紫藤誠也氏は「宮本武蔵の『独行道』」(『語文研究』第24号)の中で、「巻頭に武蔵真筆の『獨行道』の写真(これは現存する真筆の二十一条である)をかかげながら、本文中には、「この人嘗て独行道と称し、自戒の文十九条を自署して云く(下略)」と述べ、十九条目をあげ、やはり第四条と第二十条とを省略した上に、真筆の条句の順序をかえたり、各条の辞句を著しく改めておられる」と書いておられます。 十九条の「獨行道」は、『二天記』に出ているとされ、二十一条の「獨行道」のうち、「身をあさく思世をふかく思ふ」「身を捨ても名利はすてず」の二条を削除してある由ですが、私は『二天記』の本文をまだ確認しておりません。(2011年3月5日) |
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7. | 『普及版 宮本武藏名品集成』(細川護貞監修・丸岡宗男編、講談社・昭和59年4月15日第1刷発行)に掲載されている二十一条の「獨行道」を次に挙げておきます(漢字は常用漢字字体になっているのを、引用者が旧漢字に改めてあります)。 |
獨行道 |
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一、世々の道をそむく事なし |
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