資料276 孟子の「性善説」  


 

            孟子の性善説         『孟子』より
 

 

      孟子曰人性之善也猶水之就下也

告子曰性猶湍水也決諸東方則東流決諸西方則西流人性之無分於善不善也猶水之無分於東西也孟子曰水信無分於東西無分於上下乎人性之善也猶水之就下也人無有不善水無有不下今夫水搏而躍之可使過顙激而行之可使在山是豈水之性哉其勢則然也人之可使爲不善其性亦猶是也            (告子章句上)

 

  

   孟子曰人皆有不忍人之心  

孟子曰人皆有不忍人之心先王有不忍人之心斯有不忍人之政矣以不忍人之心行不忍人之政治天下可運之掌上所以謂人皆有不忍人之心者今人乍見孺子將入於井皆有怵惕惻隱之心非所以内交於孺子之父母也非所以要譽於郷黨朋友也非惡其聲而然也由是觀之無惻隱之心非人也無羞惡之心非人也無辭讓之心非人也無是非之心非人也惻隱之心仁之端也羞惡之心義之端也辭讓之心禮之端也是非之心智之端也人之有是四端也猶其有體也有是四端而自謂不能者自賊者也謂其君不能者賊其君者也凡有四端於我者知皆擴而充之矣若火之始然泉之始達苟能充之足以保四海苟不充之不足以事父母                 (公孫丑章句上)
                     

 

     

 

 

 

 

 

   
  (注)  1.  上記の「孟子曰人性之善也猶水之就下也」(告子章句上)、「孟子曰人皆有不
        忍人之心(「公孫丑章句上」)」の本文は、新釈漢文大系4『孟子』(内野熊三郎著、
        明治書院・昭和37年6月15日初版発行)によりました。         
       2.  新釈漢文大系本の本文に施してある訓点・句読点・改行等は、これを省略しま
        した。    
       3. 性善説(せいぜんせつ)=人間の本性は善であり仁・義を先天的に具有すると
               考え、それに基づく道徳による政治を主張した孟子の説。荀子
じゅんし
                                                        
の性悪説に対立。               (『広辞苑』第6版による。)
          
性善説(せいぜんせつ)=人間は善を行うべき道徳的本性を先天的に具有して
               おり、悪の行為はその本性を汚損・隠蔽することから起こるとする説。
               正統的儒学の人間観。孟子の首唱。    
(『大辞林』第2版による。)
       4. 孟子(もうし)=
(1)中国、戦国時代の思想家。山東鄒すうの人。名は軻、字は子車・
               子輿。学を孔子の孫の子思の門人に受け、王道主義を以て諸国に
               遊説したが用いられず、退いて弟子万章らと詩書を序し、孔子の意
               を祖述して「孟子」7編を作る。その倫理説は性善説に根拠を置き、
               仁義礼智の徳を発揮するにありとした。(前372~前289)  
         孟子(もうし、古くはモウジとも)=四書の一つ。孟子
(1)が孔子の道を祖述して
               仁義を説き、或いは遊歴の際、諸侯および弟子と問答したことを記
               した書。梁恵王・公孫丑・滕文公・離婁・万章・告子・尽心の7編から
               成る。後漢の趙岐が各編を上下に分けて14巻とし、これに注した。
               また、朱熹の集注がある。      
(以上、『広辞苑』第6版による。)
          孟子(もうし)= (1)(前372-前289)中国、戦国時代の魯の思想家。名は
               軻
(か)、字(あざな)は子輿(しよ)・子車 。孔子の思想を継承し祖述し
               て「孟子
(2)」を残す。諸国を遊説したがいれられず、故郷の鄒(すう)
                     
(山東省)で門人の教育にあたった。仁や孝悌を重んずるとともに
               性善説に基づいた王道政治を説き、富国強兵は覇道であるとして
               反対した。後世、「孔孟」と並称される。
               (2)[「もうじ」とも]中国、戦国時代中期の思想書。7編。孟子
(1)
               言行をその弟子たちが編纂(へんさん)したもの。民生の安定、徳
               教による感化を中心とする王道政治を主張し、また性善説に基づく
               道徳論・修養論を展開している。その文章は議論体の古文の模範
               とされる。四書の一で、儒教の必読書とされた。
                                       (『大辞林』第2版による。)
                                        



                           



            
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