(注) | 1. |
上記の菅原道真の詩「九月十日」「不出門」の本文は、新釈漢文大系『日本漢詩上』(猪口篤志著、明治書院 昭和47年8月25日初版発行)によりました。詩の出典は『菅家後集』です。 ただし、「不出門」の詩の読みのうち、「瓦色を看」「鐘聲を聽く」と読んであるのを、好みによって「瓦の色を看」「鐘の聲を聽く」としました。 |
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2. | 参考に挙げた「九日後朝同賦秋思應制」の詩は、「九月十日」の詩に出てくる「秋 思詩篇」にあたる詩です。 | ||||
3. |
詩の語句の読み方をいくつか示しておきます。 清涼(せいりょう) 秋思(しゅうし) 御衣(ぎょい) 此(ここ)に在(あ)り 捧持(ほうじ) 餘香(よこう) 謫落(たくらく) 柴荊(さいけい) 萬死(ばんし) 兢兢(きょうきょう) 跼蹐(きょくせき) 纔(わず)かに 中懷(ちゅうかい) 檢繋(けんけい) 雖(いえど)も 何爲(なんす)れぞ 寸歩(すんぽ) 丞相(じょうしょう) 絡緯(らくい) 涯岸(がいがん) |
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4. | 〇菅原道真(すがわら・の・みちざね)=平安前期の貴族・学者。是善の子。宇多天皇に仕えて信任を受け、文章博士・蔵人頭・参議などを歴任、894年(寛平6)遣唐使に任ぜられたが、その廃止を建議。醍醐天皇の時、右大臣となったが、901年(延喜一)藤原時平の讒言により大宰権帥(だざいのごんのそち)に左遷され、同地で没。書をよくし、三聖の一人。「類聚国史」を編し、「三代実録」の撰に参与。詩文は「菅家文草」「菅家後集」に所収。死後、種々の怪異が現れたため御霊(ごりょう)として北野天満宮に祭られ、のち学問の神として尊崇される。菅公(かんこう)。菅丞相(かんしょうじょう)。菅家(かんけ)。(845-903)(引用者注:丞相は「じょうしょう」とも読む。) 〇菅家後集(かんけこうしゅう)=漢詩集。菅原道真(みちざね)著。一巻。903年(延喜3)成立。道真が没するに臨み、紀長谷雄(きのはせお)に贈ったもので、大宰府に貶(へん)せられた後の詩46首を収める。菅家後草。西府(せいふ)新詩。(以上、『広辞苑』第6版による) |
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