(注) | 1. | この「友への手紙」は、昭和11年4月22日(想定)、田中一三(かずみ)あてのものです。 | |||
2. | 本文は、角川書店版『立原道造全集』第五巻(1973年2月10日初版発行、1974年9月30日3版発行)によりました。原文は、勿論縦書きです。 | ||||
3. | 文中の「ベエトオヹン」の「ヹ」は、ワ行の古い仮名「ヱ」に濁点の付いている、「ヴェ」に当たる仮名です。 | ||||
4. | 文中の「──」は、原文では間に途切れのない実線(2字分)です。 | ||||
5. | 漢字は、できるだけ旧字体を用いましたが、「緑」「情」など、旧字体になっていないものもあります。 | ||||
6. |
上掲書の後注から、いくつか補っておきます。 (1)オオカッサンとニコレット Aucassin et Nicolette……13世紀フランスの作者不明の歌物語。 (2)「青い花」Heinrich von Ofterdingen(Die Blaue Blume)1802…… 単行本初訳は、田中克己『青い花』昭和11年1月・第一書房刊(「コギト」昭和9年6月─11月号)。 (3)フォイアマン Emanuel Feuermann ……アメリカのチェリスト。晩年のカザルス・トリオに参加した。 (4)ブランデンブルグ……協奏曲第2番ヘ長調。演奏は、アドルフ・ブッシュ指揮、ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)、ジョージ・エクスデール(トランペット)、 マルセル・モイーズ(フルート)、 オーブリー・ブレーン(ホルン)、エブリン・ロスウェル(オーボエ)。 ※ Dailymotion というサイトで、ブッシュ室内合奏団の演奏による「ブランデンブルグ協奏曲第2番」の第1楽章が聞けます。 このレコードが立原道造の聞いたレコードと同じものであるかどうかは分かりませんが、演奏者は全集の後注にあるもの(上記)と同じですから、もしかしたら同じレコードであるかもしれません。 → アドルフ・ブッシュ指揮「ブランデンブルグ協奏曲第2番」 なお、「ブランデンブルグ協奏曲」は3楽章からなり、トランペットの演奏は第1楽章と第3楽章だけで、第2楽章にはないようです。 参考までに、演奏者は不明ですが、YouTubu から第2楽章と第3楽章の演奏も挙げておきます。 →「ブランデンブルグ協奏曲第2番」第2楽章 →「ブランデンブルグ協奏曲第2番」第3楽章 (2012年3月23日付記) |
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7. |
なお、立原道造については、「立原道造記念館」のホームページが参考になります。 ただし、「立原道造記念館」は事情により2011年2月20日を以て閉館し、現在は「立原道造記念会」が運営を引き継いでいるそうです。 |
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8. |
「立原道造記念会」が運営を引き継いだ、かつての「立原道造記念館」のホームページに、昭和11(1936)年12月4日付けの「田中一三から立原道造宛の巻紙」があります。 この書簡(巻紙)の解説によれば、田中一三は立原の一高時代の友人で、当時京都大学仏文科に在学中でした。田中は昭和13(1938)年1月に召集され、昭和15年12月、ソ満国境で自決した由です。 なお、国友則房編集で刊行された『香積詩選』(1991年・丸田公子)があるようです。(「香積」は田中一三の雅号。) |
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9. |
『立原道造全集』第五巻の巻末の「宛名人註」に、次のように出ていました。(平成19年12月26日追記) 田中一三(たなか・かずみ) 別称香積(かずみ)。福山市生。岡山・誠之中、一高文丙(同期)、 京大仏文学科昭和12年卒(卒論シュリィ・プリュドム)。「未成年」 同人、「四季」投稿。落合太郎教授に師事、堀辰雄に近づく。大学院 から姫路師団入隊、野砲連隊の将校としてソ満国境に出動、昭和15年 12月自決した。 |
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10. |
『四季・コギト・詩集ホームページ』というサイトに、『四季』の総目録が出ています。 → 同人詩誌「四季」総目録 総目録の「第二次「四季」昭和12年 1937 第23號~第32號」によれば、『四季』第30号(昭和12年10月号 記念作品特輯号)に、立原道造の「やがて秋」と田中一三の「泉の歌」という詩が掲載されています。 |
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11. | 『つれづれの文車─趣味の文書室─』というサイトに「立原道造」のページがあり、そこで岩波文庫からとった彼の詩集を読むことができます。 | ||||
12. |
また、メールマガジン「立原道造詩集」や、電子図書館「青空文庫」 でも、立原道造の詩を読むことができます。 注:メールマガジン「立原道造詩集」は現在休刊中だそうですが、幸い『USUKEISM』というサイトで見ることができます。 『USUKEISM』→ メールマガジン「立原道造詩集」バックナンバー お断り: 残念ながら現在は見られないようです。(2017.11.02) |
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