資料114 柳宗元「送薛存義之任序」



        送薛存義之任序      柳  宗 元


河東薛存義將行柳子載肉於俎崇酒於觴追而送之江滸飲食之且告曰凡吏於土者若知其職乎蓋民之役非以役民而已也凡民之食於土者出其什一傭乎吏使司平於我也今我受其直怠其事者天下皆然豈唯怠之又從而盜之向使傭一夫於家受若直怠若事又盜若貨器則必甚怒而黜罰之矣以今天下多類此而民莫敢肆其怒而黜罰何哉勢不同也勢不同而理同如吾民何有達於理者得不恐而畏乎存義假令零陵二年矣蚤作而夜思勤力而勞心訟者平賦者均老弱無懷詐暴憎其爲不虚取直也的矣其知恐而畏也審矣吾賤且辱不得與考績幽明之説於其往也故賞以酒肉而重之以辭


  (注) 1.  本文は、新釈漢文大系71『唐宋八大家文読本 二』(星川清孝著、明治書院・昭和51年12月15日初版発行)によりました。       
    2.  本文に施されている返り点・句読点や改行等は省略しました。         
    3.  柳宗元(りゅう・そうげん)=中唐の詩人・文章家。唐宋八家の一人。字は子厚。河東(山西永済)の人。監察御史となる。王叔文の失脚に伴って永州(湖南)、のち柳州(広西)に左遷されてその地で没。挫折の憂いを山水に晴らし、すぐれた自然詩と散文を残す。王維・孟浩然・韋応物と並び、王孟韋柳の称がある。文章では韓愈と共に古文復興運動を提唱。著「柳河東集」など。(773~819)   (『広辞苑』第6版による。)    
           
           
           




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